毛玉の取り方:生地に穴を開けずに落とす手順
毛玉は平らな台に広げ、毛玉取り器を押しつけずに一方向へ軽く滑らせれば取れます。手でむしると繊維が抜けて次の毛玉が増えるので、必ず刃かブラシを使ってください。毛玉の量は取り方より、普段の洗い方で決まります。
手早い解決方法
- 平らな台に置き、シワを伸ばします。服を持ち上げたまま当てると生地を巻き込んで穴が開きます。
- 毛玉取り器は押しつけず、一方向に軽く滑らせます。往復させると生地を引っ張ります。
- 手でむしったり、ハサミを根元まで入れたりしないでください。繊維が抜けてそこから穴になります。
- カシミヤやアンゴラなど毛足の長いものは、毛玉取り器ではなく目の細かい衣類用ブラシを使います。
- 取り終わったらブラシで毛並みを整え、次からは裏返してネットに入れ、弱水流で洗います。
用意するもの
- 電動毛玉取り器(高さ調整のアタッチメント付き)
- 衣類用ブラシ(豚毛または馬毛)
- アイロン台など平らな面
- 洗濯ネット
手順
1. 生地に毛玉取り器を使ってよいか確かめる
毛玉取り器は表面の繊維を刈り取る道具なので、薄い生地や毛足の長い生地では地の繊維まで切ってしまいます。薄手のニット、モヘア、アンゴラ、起毛したコートは向きません。迷ったら、まずブラシで試してから判断します。
2. 平らな台に広げてシワを伸ばす
穴が開く原因のほとんどは、生地が浮いていることです。浮いた部分は刃に吸い込まれ、面ではなく点で削られます。アイロン台やテーブルに置き、手のひらでシワを伸ばしてから始めてください。袖など筒状の部分は、中に雑誌や厚紙を入れると平らになります。
3. アタッチメントを一番高い設定から始める
毛玉取り器には、刃と生地の距離を変えるアタッチメントが付いていることが多いです。最初から低い設定にすると刈り込みすぎます。生地から遠い設定で試し、取れ方が足りなければ一段ずつ下げてください。一度刈りすぎた表面は元に戻せません。
4. 一方向に、区切りながらかける
10センチ四方くらいを一区画と考え、同じ向きに軽く滑らせます。往復や円を描く動きは、繊維が起き上がってかえって毛羽立ちます。力を入れる必要はなく、器具の重さだけで十分です。同じ場所に留めないことが、穴を開けないための一番の条件になります。
5. 摩擦の多い場所から順に片づける
毛玉は脇の下、袖口、裾、バッグが当たる肩や腰に集中します。まずそこを処理すると、見た目の印象が大きく変わります。縫い目やリブ編みの部分は生地が盛り上がっていて刃が当たりやすいので、その手前で止めてください。
6. ブラシで毛並みを整える
刈り取った直後は繊維の向きがばらばらで、光の反射が不均一になります。衣類用ブラシで一方向にとかすと、表面が落ち着いて色が均一に見えます。ウールやカシミヤでは、この仕上げの有無で見た目の差が大きく出ます。
7. 次にできる量を減らす洗い方に変える
毛玉は洗濯機の中で衣類同士がこすれてできます。裏返して洗濯ネットに入れ、弱水流かおしゃれ着コースを選んでください。洗濯槽に詰め込むほど摩擦が増えるので、7割程度にとどめます。乾燥機の回転も毛玉を増やすので、ニットは避けたほうがよいです。
注意点
- 毛玉取り器を同じ場所に留めないでください。数秒で穴が開きます。
- ハサミを毛玉の根元まで入れると、そこが穴になります。玉の頭だけをすくうように切ってください。
- 手で引きちぎると、繋がっている繊維ごと抜けます。抜けた跡から新しい毛玉ができます。
- カシミヤ・アンゴラ・モヘアなど毛足の長い素材に電動毛玉取り器を使うと、風合いが戻りません。
- 縫い目、リブ、ボタン周りは生地が浮きやすいので、器具を当てないでください。
- 電池式でも刃は鋭利です。使用後はカバーを付け、子どもの手の届かない場所に保管してください。
- 洗濯表示にドライのみと記載がある服は、自宅で洗わずクリーニングに出してください。
種類の違う洗剤を混ぜないでください。特に塩素系と酸性の洗剤を混ぜると有毒なガスが発生します。製品ラベルの使用方法を必ず確認してください。
状況別の対処
ウール・カシミヤのニット
刃で刈るより、目の細かい衣類用ブラシで毛玉の根元を起こし、浮いた玉だけを指でつまんで取るほうが安全です。それでも残るときだけ、毛玉取り器を一番高い設定で軽く当ててください。取ったあとは平らに置いて休ませると、繊維が落ち着きます。
フリース・スウェットの起毛面
起毛は毛足そのものが風合いなので、刈ると質感が変わります。毛玉取り器を使うなら高い設定で一度だけ、あとはブラシで整えてください。フリースは静電気で毛玉が絡みやすいので、洗うときに柔軟剤を少量使うと摩擦が減ります。
ウールコート・ジャケット
面積が広いので一気に処理したくなりますが、肩や襟は生地が立体的で浮きやすい場所です。平らに置ける部分だけ器具を使い、立体的な部分はブラシで対応してください。シーズン終わりに整えてからしまうと、次の冬にそのまま着られます。
アクリル・ポリエステル混のニット
いちばん毛玉ができやすい組み合わせです。繊維が丈夫で、絡まった玉が自然に落ちずに残り続けます。毛玉取り器はよく効きますが、繰り返すと生地が薄くなります。取る回数を減らすために、洗濯ネットと弱水流を徹底するほうが効きます。
なぜ起きるのか
- 摩擦で繊維の先が表面に抜け出し、それが絡まって玉になります。抜けやすい短い繊維を使った生地ほど、毛玉が早く出ます。
- 化学繊維は強度が高いため、絡まった玉が切れずに残ります。天然繊維100%の生地でも毛玉はできますが、着ているうちに自然に落ちることが多いです。
- 洗濯機の中で衣類同士がこすれる時間が長いほど増えます。詰め込みすぎ、長い洗い時間、強い水流はいずれも毛玉を増やします。
- 脇、袖口、裾、バッグが当たる場所に集中するのは、そこだけ摩擦の回数が桁違いに多いからです。
再発を防ぐには
- 裏返して洗濯ネットに入れて洗います。
- 洗濯槽は7割までにとどめ、詰め込みません。
- 弱水流や手洗いコースを選び、洗い時間を短くします。
- 同じ服を連続で着ず、一日休ませます。摩擦の回数がそのまま毛玉の量になります。
- ニットに乾燥機は使いません。回転が摩擦そのものです。
- 保管は吊るさずたたみ、重ねすぎないようにします。
よくある質問
粘着ローラーやテープで取れますか。
毛玉取り器とT字カミソリ、どちらがよいですか。
洗濯すると毛玉が増えるのはなぜですか。
一度取れば、もうできませんか。
基準日: 2026年8月25日
- 使用できる道具と洗い方は、衣類の洗濯表示と毛玉取り器の取扱説明書を確認してください。